闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる

何?あの紅音と緋凪が?


「だからお父様は…あのお父様はさらにあの娘の事を欲しがった。人間としての感情を持った死火ちゃんを。

私はお父様には逆らえない。だからあの娘はお父様のお人形になっちゃった…あの娘はもう私のお人形じゃない…

ってのは一つ目の理由。」


これまで苦渋の顔をしながら話していたのに最後だけは今までが演技だったかのように満面の笑みで話した。


「で、2つ目はなんだ。」


「そんなに急かさなくても話すわよ。その前に前置きをしておくわ。斑。」


そう言うと暁は翔の方へと近づいていった…


そして水槽の中にいる翔の頬を撫でるようにガラスを撫で


「あの時、斑達をあの娘とあともう一人を逃がした人の名前を覚えている?」


『ああ忘れる分けないだろう。俺らの大切な恩人“達”の名前を』


「なら話してみなさい。その人達の名前を…ね?」
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