闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる
「なんで母さんが居るんだよ。まさか誘拐されたのって…」
「そう。私がこの研究所に来る三年前に九条夫妻はこの研究所に連れてこられた。憐。あなたも本当はこの研究の対象になっていたのよ?」
『これ以上憐を混乱させるような事を話すな!』
「翔は黙ってなさい。でも九条夫妻はあなたを隠してあの個人探偵の樋口の所に預けた。」
『辞めろ!』
「それを知らずにあなたはのうのうと生きてきて挙句の果てに世界にから注目の的の探偵さん?馬鹿じゃないの?
私達は日々意味のわからない薬を投入させられて最悪体中が引きちぎられるような焼かれるような想像絶する痛みで夜も眠れなかったわ。
あなたの存在を知ったのは斑達が出ていって半年くらいたってからよ。
貴女達家族の研究で私達は出来上がった。だから憎い。貴女達家族が憎いのよ。」
暁は口から発している言葉とは違って表情はとても穏やかだった。
まるで心と体が合ってないかのような感じもした。