闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる

「何が一体化よ……このままあいつに支配されでもしたら世界は終わりよ…崩壊の一途をたどるだけ。今よりももっと不幸な人達が増えるだけなんだから。」


「そんな事はない。お父様の作った世界はとても素晴らしい世界になるんだ!このおれがお父様からなんて言われたと思う?

“君の力を使って世界を平和へと導いていってくれ。旧型の暁達ではなく新型のお前が”

だってさ。お父様は俺の力を分かってくれたんだ!」


コイツは総一郎にそそのかされているんだ。


もうこいつはどこまでもおかしくなっている。


早くここを何とかしないとな・・・


私は決死の覚悟で胡乱の首元に飛び込み自分の牙を埋め込み毒を流し込んだ。


「!?くそがっ・・・」


バンッ


床に叩き付けられ口の中に鉄の味が広がり不快な気分になった。


(さすがにここまでやられるとやばいかも・・・)


最初の一撃で半分の力を奪われてしまった私はもう立つこともままらなかった。


それと生物学的なものからでも女である私は不利だった。


(何なの。このクソゲー)


必死に意識を保っているのか胡乱は一歩一歩私に近づいてきて反撃をしたいのに体が言うことを聞いてくれない。


胡乱は頭を持ち上げて私の頭は胡乱の頭まで持ち上げられた。


< 366 / 466 >

この作品をシェア

pagetop