闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる
お前は腐ってねぇ。この国が腐ってんだ
???Seid
その男の目の前には大きな容器の中に横たわる少女がいた。
その少女の寝顔は大人っぽい顔つきであるがどこか幼さも醸し出しているあどけない寝顔だった。
「もうすぐだ。もうすぐで君に会えるんだよ。“さおり”」
白衣の着ている研究員が男のそばへ行き
「総理、あと5分余りで準備ができます。」
「早く済ませろ。」
「はっ。」
総理と呼ばれたその男は片時もその少女から目を離そうとはしなかった。
まるでそれはプレゼントを待ちわびている子供同然だった。
この男は今までなんでも手に入れて来た。
物も
地位も
女も
何もかも
男はほしいものは自分の手の中に欲した。