闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる

見るからに双子は殺気を出していて戦闘の邪魔をした胡乱とかいう男にそれは向けられていた。


「ああ、すまないね。君たちの戦闘を邪魔してしまって。でもこれはお父様のご意向なんだよね。本当はもう少し見ていたかっただけどね。」


何言ってんだ?こいつ。


お父様って言っていたがそれは黒条 総一郎のことを言っているのか。


こいつらの中ではあんなじじいでもお父様なんだな。


「何なんでしょう。あの胡乱ッて言う人。」


黎夜が警戒をしながらも俺の方に寄ってきて話しかけた。


戦闘には向いていない黎夜の体にはいくつもの傷があった。


「さあ。わからないがあいつらの仲間ではあるらしいな。」


「そうですね。」


でも仲間だとしたらここまで険悪な雰囲気になるか?


そんなことを考えていながらも目の前では


「胡乱。それは本当なのでありんすな?」


「ああ。確かにお父様からの依頼だよ。」


「で?お父様はなんて言ったの?」

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