闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる
研究室Seid
「総理。装置の準備が整いました。」
一人の研究員が現総理の近くへ来てそう告げると総理と呼ばれた男は
「ああ。なら30分後に開始だ。」
「わかりました。」
そう言い持ち場の方へ戻っていった。
今総理の見ている大きな液体の満ちている円柱の中には口に呼吸器をつけて眠っている少女が浮かんでいた。
その少女は黒い髪に白い肌をしていてまるでこの世のものではないような容姿をしていて容器の中に入っていた。
それをまるで愛玩のような目でみていた。
「翠玉。お前は私のものだ。あいつになんか渡したりなんかできるものか。この肌も髪も声も何もかも私のものだ。外国の九官鳥どもにも渡すわけがなかろう。」
その顔はまるでおもちゃを与えられた子供のように輝いていた。
と、その時、
ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!!!
研究所の警報機が鳴り響いた。
監視カメラのモニターを見ると二人の男子がこちらに向けて走っていた。
「おい。“狂鬼”を開放しろ。」
また新たに企んでいるもようす・・・