闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる


「ここから先に行くとまた上に上がるエレベーターがある。そこを上に行くとこの国会議事堂の隠し階がある。その一部屋にお前の母親。恋華さんはいる。」


てか・・・


「なんでお前がそこまでここに詳しいだ?いくら長い年月いたってほとんど監禁状態じゃなかったのか?」


「ああ。でもあるとき監視の奴がカギをつけるのが緩かったのかすぐに開いたんだ。しかもその日の実験は運よく俺と翠玉だけになっていたから興味本位で翠玉とそこを出たんだ。

そのときに偶然たどりついたのがその部屋だったんだ。」


「そのときに俺と翠玉はこの名前をもらったんだ。」


そんなことがあったんだな


「そうか。」


「憐。」


「なんだ?」


翔の方を見るとその顔は何とも穏やかだった。


「俺は恋華さんを助けに行く。それにもうすぐ樋口さんと七彩もこっちに合流するだろう。お前は陵牙さんと翠玉を助けに言ってくれ。」


「でも樋口さんにはこのことは伝えていなかっただろう。どうすんだ。」


「心配すんな。このことはもう伝えてあるから。」


何とも用意周到な。


あのときか。
< 404 / 466 >

この作品をシェア

pagetop