闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる


「そうか。それにしてもミカエラ・・・いや九条憐君。大きくなったね。」


こいつも俺のこと知ってたのかよ。


胸糞悪い・・・


「そんな顔をしないでくれ。君とは一度だけあったことはあるんだ。まあ一方的にだけどね。」


だから俺は知らなかったんだな。


こんなおっさん知ってたら覚えてるからな。


「憐!!なんでお前ここに来たんだ!翔はどうしたんだ!?」


久しぶりに聞いた親父の声は内心嬉しかった。


「久しぶり親父。翔は母さんを助けに行ったよ。せっかくの親子の再会を邪魔できないからって言ってさ。それとなんでここにいるにはというと囚われの俺のニャンコを取り返しに来ただけだ。

俺そいつに惚れちまったんだよな。俺のもんは力づくでも奪い返すのが俺の流儀だからな。」


「陵牙君。君の息子は本当に似ているよ。」


どこまでも透かしてるような顔しやがって。
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