闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる


翠玉Seid

あの事件から一週間がたった。


あの日私が久しぶりに憐を見た時にはなんか焦っているように感じた。


だから憐の役に立ちたくてお父様に聞いた。


お父様が私たちを苦しめた張本人ということは知っていた。


あの容器の中液体に満ちていたけど外の声が丸聞こえだったの。


だからその時に知ってしまったんだ。


そして気づいた時には憐のことが怖くなって拒絶してしまった。


あのときはすごく怖かったの・・・暗闇の中の憐は本当の憐じゃないのに。


でも本人を目の前にすると体が震えてくる。


もし本当に憐が私のことが嫌いだったらどうしよう。


助けてくれた時だって迷惑に思っていたらどうしよう。


そんな考えが頭の中を支配して体が言うことを聞いてくれない。


もう何が本当で何が嘘なのかわからない。
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