闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる


「翠ちんの名前は本当の名前じゃよ。それにあの夫婦はヴァンパイアだったんだ。」


「え?」


いきなりのカミングアウトに驚きすぎて目を見開いた。


「だから必然的に翠ちんと翔は元はヴァンパイア。元々人間じゃないんだよ。」


(今まで私は勘違いして生きていたの?)


「このことはお兄ちゃんも知ってるの?」


「ああ。たぶん知っているだろう。ここに来てから独自で調べていただろうしあの時の翔は5歳か6歳くらいだ。」


そうだったんだ。


そんなことさえも知らないで私は人間だと思って、ただのキメラだと思って暗殺をしていたんだ。


「あの日はわっちも詳しいことは分からない。わっちが駆け付けた時はもう事が起こった後だったから。」


でも、お父さんとお母さんのことが知れるなら・・・


「でも・・・教えてほしいな。お父さんとお母さんのとこ。」


「・・・わかった。」
< 430 / 466 >

この作品をシェア

pagetop