闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる
「無理だよ・・・私は純粋な心を持っていない。何もかも疑ってしまう。」
それから憐は何も言わなくなってしまった。
あそこまで言えばもう憐に嫌われても仕方ないか。
これ以上憐と話していると泣いてしまうと思い駆け出した時に憐に捕まってしまった。
「やっとこの腕の中に捕まえることができた。」
憐の低い声が私の耳元で聞こえて自分の体が固まるのがわかった。
体が固まり背中には憐の鍛えられた筋肉の感覚が分かり緊張で言葉が出なくなってしまった。
そして余りのことで私は獣の耳と尻尾を出してしまった。
「なに?黒猫ちゃんは緊張しちゃったのかな。」
こいつ絶対に私で遊んでいるな・・・
「べ・・・別に緊張しているんじゃない。驚いてしまっただけだ。憐がこんなに軽率な行動をしているのがな。」
「こんな俺は嫌いか?」
「ああ。嫌いだよ。こんなことをされてしまうと期待していまうじゃないか。」