闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる
憐が優しく柔らかい声で言ってきたがそれでも私は
「いやだ。だって目の周り真っ赤だもん。可愛くないよ・・・」
「なんだって翠玉は可愛いさ。」
そう言ってから憐は私の頬に手を添えて顔を上に向けさせた。
それはまるで壊れそうな何か繊細な何かを大切に扱うかのように丁寧に優しかった。
「プッ・・・確かに目の周りが真っ赤でパンダみたいになってる。」
「だから言ったじゃない。見られたくない・・・」
また顔をそむけようとすると顔を動かすと憐はそれを動かさないように力を入れて固定をした。
「ずるい。」
「言っておくがお前の方がずるいからな。狙ってるわけじゃないだろうな。」
「・・・?」
なにを言っているのかな?
「とにかく。お前はどうなんだ?返事がまだなんだが?」
「・・・」
本当は私も言いたい。
憐のことが好き
でもまだ奥底では警戒しているところもある。
自分の心で葛藤をしていると憐が。
「あのとき翠玉が見たのは本津の俺じゃない。確かに今までの俺は遊んでいたが今は翠玉しか見ることができない。だからなのかお前にあった時からほかの奴の血が飲めなくなったんだ。ヴァンパイアは生涯をともにする相手を決めると血しか飲めなくなるんだ。」