闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる
それでも憐は私に会いに来てくれる。
憐は私のことをちゃんと見てくれている。
今だって頭を撫でている手が優しい
ずっと撫でててほしいな。
さっきまでの寂しい気持ちはもうどこにもなかった。
「そろそろ時間だ。」
「うん。」
ノソノソとベットから降りて使用人さんにシャワー室に連れていかれてそれから黒のワンピースを着て憐達が待っているリビングへと向かった。
「来たか。」
部屋に入って一番に声を発したのは龍牙さんだった。
龍牙さんの隣には恋華さんも座って紅茶を飲んでいた。
「可愛いわよ翠玉ちゃん。」
「ありがとう・・・ございます。恋華さん・・・」
「じゃぁ行くか。ここから歩いてどのくらいだ?憐」
「歩いて10分くらいだよ。時間はそうかからないが道は結構急斜面だ。だから母さんは父さんにでも抱えてもらった方がいい。」