闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる
「わかった。」
「翠玉は母さん程じゃないが体力は落ちているはずだ。だから俺があそこまで連れていく。」
「なら決定だな。あいつらは駿たちが連れてくるだから俺たちは先に行くか。」
お兄ちゃんがそういうとそれぞれ部屋を出て行った。
最後に残ったのは私と憐それとお兄ちゃんの三人だった。
「翠玉はこいつで本当に良かったのか?」
お兄ちゃんはやっぱりまだ憐のことは許してないのかな
「私は憐に出会ってからあらゆる面で変われたと思ってるよ。憐に会ってなかったら何もわからないただの人形になってたから。
憐がいて今の私があるの。だからこれからの私には憐が必要不可欠なんだよ。」
私は憐のそばに行って腕をつかんだ。
憐もそれに応えるように笑って私の頭を撫でてくれた。
「だからお願いお兄ちゃん。憐のことが好き。だから付き合うことを許してほしいの。」
「俺からもお願いだ。確かに俺のせいであいつらのところに連れていかれて嫌な思いもさせたかもしれない。でもあの時にできなかったことをこれからの人生全部を翠玉に尽くすつもりだ。
だから翔・・・いや、義兄さん。翠玉を俺にください。大切にします。」
憐が頭を下げるのと一緒に私も頭を下げた。
数秒間沈黙が流れ恐る恐る顔をあげてみると