闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる

私は目線を合わせられずに首をコクリとうなずいた。


憐は私の様子を見て


「すみません。過去のトラウマで他人と接するのが苦手なんです。」


「そうですか。それは仕方ないですね。」


「翠玉。この人は翠玉の両親の葬式もやってくれた人なんだ。だから今回もお願いしたんだ」


そうだったんだ。


お父さんとお母さんのをやってくれたんだ。


私はひょこりと顔を出して


「ありがとうごうざいます。お父さんとお母さんのをしてくれて」


「これはこれはとても可愛らしい声のお嬢さんですね。まるで小さな猫の鳴き声のような澄み切った声なんですね。」


その言葉に思わずドキリとしたけど憐は大丈夫と言っているかのような表情をしていた。


「私は今日あの時のお子さん達に会えてよかったと思っています。確かにあなたたちはあの二人にとても似ている。この出会いは神の思し召し。これからも自分を大切にするんですよ。」


「・・・はい。」


「では、長谷川さん。そろそろ・・・」


憐がそういって暁たちの埋葬の儀を始めまった。


それから2時間くらいで終わり暁達は私の見ている碑石の下に埋められた。
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