闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる

埋葬にかかった時間は大体二時間くらいだった。


埋葬が終わるとお兄ちゃんたちは屋敷の方へ戻っていった。


私は碑石の前に行ってじっと見ていた。


暁達を埋葬した時に見たら暁の頭蓋骨だけがなかった。


(暁の最期は相当な痛さだったんだね。)


私達キメラの弱点は頭。


だからそこを攻撃されたら想像できない痛さに襲われる。


通常の何倍もの痛みになって私たちを襲うからいくら痛みに慣れているキメラだったとしても耐えられないはず・・・


「痛かったんだね。暁は・・・」


私は見ていると隣に憐が来て


「翠玉・・・」


「ねぇ。憐・・・私を助けに来るときに暁と会った?」


「ああ。最初は黒条のおっさんに記憶いじられておかしくなってたけど正気を取り戻してからは俺らのことを助けてくれたよ。

あのときの暁は最期に“ありがとうさようなら”って言ってた。だから暁は自分が死ぬのをわかってたんだろうな。」


そうだったんだ。


「暁はどうだったのかな。とても痛かったと思うんだ。だからちゃんと成仏してくれたらいいな。」

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