闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる


そのことに色んな思いがあるんだろう。


考えていると翔が口を開き


「憐は翠玉が多重人格だってことは知ってるよな。」


「ああ。」


この資料には黒条翠玉が多重人格だってことはあえて書かないでおいた。


なせ俺がこんな事をしたのか分からないが。


「翠玉の多重人格は物心つく前からあったんだ。大抵の人間は何かしらのストレスを感じて現実逃避しようとして自分とは違う人格を生み出す。

だか、翠玉が実験動物として使われ始めたのは5歳の時からだった。俺も同じく5歳から実験をさせられ体に色んな事をされた。

手術なんて何回行ったかも分かんない。そのくらい俺の体は開かれた。」


そう言って翔は服をめくり俺に見せてきた。


初めて見たがその腹には幾つにも無数の傷跡が残っていた。


長いモノは胸の所にまであった。


思わず俺は顔をしかめた。
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