闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる


「それと、翠玉は実験をされ続けていったある日多重人格だってことを知られてしまったんだ。

それをいいことに実験に参加していた科学者は目の色を変えて、俺ではなく翠玉にだけ集中的に実験を行った。」


まじかよ。


「1ヶ月間翠玉の姿が見えないと思ったら久しぶりに見た翠玉の目は完全に闇色に染っていた。

そしてもう一つ気づいたのは翠玉だけではなく中にいる感情ひとりひとりにこの能力を埋め込みやがったんだ。

人格の一人に聞いたら、翠玉は黒豹の能力。

紅音っていう人格は鳶。

七彩っていう人格は不明。

緋凪っていう人格は梟だ。

この名前は全部翠玉が付けてくれたんだってさ。」


そうか。


「どれもいい名前だな。」



「だろ。センスいいと俺も思ったよ。これでおれの話は終わりだ。」


「わかった。」


そう言ってへやを出ようとしたら翔が

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