22歳の僕

豊嶋さんの駐車場まではここから10分程度。正直何を話して良いかわからなかった。無言のまま駐車場まで歩いた。沈黙をやぶったのは豊嶋さんだった。
前にここを通ったら知らない人に後をつけられたり、声かけられたりしたこと多くてさ。何かいいように使ってごめんね」
だから送ってほしいと頼んだのか...
「そうでしたか。大変でしたね。本当にそんな奴等っているんですね。」
そんな話をしていたら、あっという間に駐車場まで着いた。豊嶋さんの車は白の車に赤いペイントが施されており、とても見た目が派手であった。見た目だけでいえばいわゆる「ヤンキー」であった。
「送ってくれてありがと。助かったよ」いつの間にか運転席から窓を開けて話しかけられ僕は、はっとした。
「と、とんでもないです。お気をつけて。お疲れ様でした。」豊嶋さんを送った後、自宅に歩き始めた。豊嶋さんのあの反応だと職場の自分の印象は悪くないのかな？という気持ちがよぎった。退職したくて仕方がない気持ちはいつしか薄れてきた。立ち止まり「もう少し様子をみてみようかな？」僕はそう呟きまた、歩き始めた。