ペナルティ
「ごめんね…」
「やめろや、『ごめん』なんか聞きとおない…」
「うん、色々…ありがと…」
泣きそうになっている山崎さんをみて困ったように眉をハの字にさせて言った
「土方…」
「ん?」
「みんなをよろしくね…新撰組は…これからだよ…」
「……あぁ」
土方さんらしい、というべきなんだろうか
土方さんはそっぽを向いていたけど
目に涙がうかんでいることくらい僕にはお見通しなんだ
「ふふっ…ねぇ、何でかな…死ぬのなんか…怖くなかったのに…」
一筋、また一筋と彼女はポロポロと涙を流した
「今は少し、怖いな…」
「祐姫ちゃん…」
彼女は微笑んでいるのに、震える声が、流れる涙が、僕の胸をきゅっとしめつけた
「ちょっとだけ、ね…」
「祐姫ちゃん…君はもう一人ではないです、どんなに遠くても、たとえ…たとえ時代が違っても、僕が…新撰組のみんながいます」