ペナルティ
「さて、約束通り見つけたんだけど…良かった。僕のことわかるみたいだね、久しぶり祐姫ちゃん」
『この時代では会ったことないから“初めまして”かな?』と沖ノ島さんがいった
「やっぱり、沖田なの…?」
「たぶんね」
彼は少し首をすくめて笑うと話し出した
「僕が五歳のときかな?凄い熱を出してね。寝ていたら夢を見たんだ。前世の記憶…つまり『沖田総司』だった頃の記憶を、ね」
夢をみた沖ノ島さんは、何故かそれが自分の前世の記憶だと思ったらしい
そして私への約束を守るために私を探してくれていたそうだ
「実際捜索を始められたのは高校に入ってからで、去年やっと見つけたんだ。さっそく会いに行こうと思ったんだけど、祐姫ちゃんが僕のことわかるか不安で会えなかった」
沖ノ島さんは眉を下げて笑った
「で、とりあえず婚約しようと思ったんだけど…そのせいで祐姫ちゃんを傷つけてしまったみたいだね」
『ごめんね』と悲しそうに俯いた