ペナルティ
「でも断りたかったら断っていいよ。婚約、解消したいんだよね」
「さっきの聞いてたの…?」
『聞こえちゃった』と悲しそうに笑うもんだから私は目をあわせられなかった
「別に…あの、知らない人と結婚するのが嫌なだけで…その…」
ポツリポツリいうと奏さんの表情がぱぁっと明るくなった
こんなこと前にもあった気がする
「じゃあっ!!」
「奏さんのこと知ってから…考えます」
そういうと嬉しそうに無邪気に笑い『了解』といってくれた
「じゃあ改めて自己紹介しよう、初めまして沖ノ島奏です。19歳、大学1年生」
「木村…祐姫です。18歳、高3です」
それから奏さんは自分のことを話してくれた
大学で経済学を学びながら少しずつ仕事を手伝っていることや、夢の影響で剣道をしていることなど
それから、私が眠っている間お見舞いに来てくれていたこと