ペナルティ
お腹の傷は眠っている間に完治していて、検査で異常がなかった私は翌日には退院することができた
何年もの時を経て、家族の誤解は解けた
私たちは、やっと家族になれたような気がした
おかげで家では以前よりも家族の団らんが、笑顔が増えた
1つ、不思議なのはあの時代で作った背中の傷
もちろん背中に傷はない
でもお風呂に入ったりして身体が温まると、傷があった場所がうっすら赤らむようになった
これは生まれつきのものじゃない
原因がわからなくて不思議だけど、これは私があの時代にいった証のような気がして嬉しかった
婚約の話は一旦保留
またいつか考えるとお父さんたちに伝えた
そして、奏さんとは―
「祐姫ちゃーん」
「ごめん、待った?」
「いや、大丈夫」
仲良く出掛けたりしていて、少しずつ奏さんが私の中に入ってきている