ペナルティ
「いや、そもそも私ここに住むなんて一言も…」
「でもいく宛ないんだろう?」
「っ…」
「いく宛がないならここにいれば良いじゃないか」
近藤さんに痛いところをつかれ言葉をつまらせてしまう
確かにこの時代の住人じゃない私は居場所がない
住むところを見つけられたのは幸いだ
でも、それでも…
「はぁ…ここにおいてやるっていってんだ、お前は素直に『はい』とだけ言ってればいいんだよ」
ここは、宿でもお店でもない
あの、人斬り集団と呼ばれた新撰組
「…やっぱ「部屋はこのままここで良いですよね」」
「うん、そうだね」
「木村、今この時から脱出しようとしたら切腹だからな」
諦めたのか、はたまた反抗する気がなくなったのか、私はただ“はい”と言うしかできなかった