ペナルティ
「佑姫ちゃん、さっきのなんですか」
部屋につくなり沖田が私に言った
「………さっきの、とは?」
「惚けないでください。さっきの試合ですよ」
「…沖田が勝ったんだよ」
「違いますよ…さっき“わざと”負けましたよね?」
沖田が強調しながらいったことにピクッと反応すると少し俯せていた顔をあげた
「何をいっているの」
「面を射つ前、隙を作りましたね」
「…………」
「何で手を抜いたんですか」
沖田が表情にはあまり出さないが、怒ってるのが声色からわかった
「手を抜いたつもりはない」
「じゃあ何です?」
「……あ…足が滑った」
「嘘吐かないでください」
視線をそらしながらいうと沖田が即答する
「…どっちにしろ私の体力は限界だった、あそこで終わらなくても沖田が勝ってた」