大好きな桜の木下で

『ふぅーーー。』

さっきとは違う、大きなため息をついて、私は渋々教室のドアを開けた。

しーーーーーーーーーーーーーーーーん

鋭い視線が突き刺さる。

さっきまでの楽しそうな雰囲気は消え、
みんなの表情が冷たくなった。

慣れてるなれてる

大丈夫。そう、自分に言い聞かせ席につこうと自分の席まで歩く。

この、少しの時間でも、私にとっては辛い時間だった。

歩いてる間にも冷たい表情で睨まれているのがわかる。

それに耐え、自分の席についた私は言葉を失った。


机に大きく書かれた死ねの文字

周りにはゴミが散乱していた。

これも、慣れてるから大丈夫

自分の脳に言い聞かせた。

キーンコーンカーンコーン

全員着席のチャイムがなる。

『おはよー、みんな着席だぞー。』

先生が教室に入ってきた。気づいて!

助けて…!

『あれ、どーしたんだ?杉村。』

いじめられてんだよ!助けて!本当は気づいてるんでしょ?!

『早く席つかないと遅刻だぞー笑
そんなに席汚して笑』

見て見ぬ振り
気づいてるくせに。

この時私は知った。教師も生徒のいじめに加わるんだと。



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