学校一の王子の恋愛ゲーム
Game.2
「ただいまー。」
ガラガラとドアを開けると、自習で荒れ果てた教室の風景が広がっていた。
少しは勉強しなよ…。
課題などなければこっちのものと言わんばかりに、男子たちは暴れ回って女子はたむろって話を始める。
「優芽おかえり♪」
「凜羽(りう)…。」
なんて楽しそうな目をしてるんだこの子は…。
「そだ、黒神(くろがみ)さんお手入れしとかないとね♪」
「…はぁ。」
黒神さんとは黒猫で凜羽の武器的ものである。
使う時は瞬時に武器化し、鋼の強度に優る刀となる。
そんなのどこで手に入れるんだろ…。
あたしは刀なんかいらないけどね。
猫が飼いたいなぁって、黒猫さんを見てると思う。
なんであんなに可愛い猫が刀になるんだろ…?
「猫連れてて怒られないの…?」
「え?強行突破だよ。でも先生何も言わないし。」
恐っ;先生何も言えないだけだよ…。