学校一の王子の恋愛ゲーム
読書をしていた結城がはっと顔を上げる。
「まさか…?」
凜羽と優芽は首を傾げる。
「そう、そのまさか。」
凪はビシッとマジックペンを結城に向ける。
「恒例行事、お花見大会ー!」
凪が叫んだ後、
ズシャーっとトレーのカップを運んでいた愛衣が派手に滑り込む音が…。
「なにが例のあの行事なのよ。コーヒー零れちゃったじゃない。」
汚れた床を片す愛衣。
「なんで恒例なの?」
「生徒会では毎年お花見するんだっ!」
そう、目を輝かせた結城が言った。
「中庭のあの立派な桜はそのためにあるようなもの♪」
凪はホワイトボードに「お花見計画」と書き込む。
「5月なのに?」
「ちょうど散り際なんだよ。」
凪は優芽に説明口調で言う。
「それで、「お弁当とか作るんだねッ!」
愛衣は立ち上がってガッツポーズ。