学校一の王子の恋愛ゲーム
Game.4
「すごーい!」
太陽の光に照らされた中庭は、春風に吹かれる花弁で、桜色に染まっていた。
みんなが勉強に励む間、自分たちは中庭でお花見。
とまぁ少々心が痛む気がするが、気にしてる人は…あんまりいないと思う。
「あったかー。」
一面の芝生に寝っころがってみると、太陽で暖められていてすごくぽかぽかしている。
「花びら付いてる。」
「え?」
起き上がった優芽に結城は言って、前髪にすっと指を通す。
ふぅっと吹かれた花弁は、舞って風に還っていった。
「あ、ありがと。」
優芽は立ち上がって、スカートを翻しみんながシートを敷いているところへ駆けてく。
と、凜羽がこちらへやってくる。
「ゆうくん。」
「何?」
黒神が座っている結城のひざへよじ登る。
「優芽が好き?」
「まぁ、普通に。」
結城は桜が降り注ぐ上の、木を見上げる。
「べつに神代に殺されたくねーし。」