学校一の王子の恋愛ゲーム
「なんでよ。」
「嫌だから。」
優芽が頬を膨らませて睨んでも、恭弥は一行に呼ぼうとはしない。
「なんで嫌なの。」
「…。」
「なんで?」
「…。」
優芽が何度聞いても、恭弥は答えない。
と、パチっと恭弥が指を鳴らした。
「え?」
「ふん。」
しばらくして一羽の小さな黄色い鳥が飛んできて、恭弥の頭に留まった。
「小鳥ちゃん!」
「ぴっ」
優芽が手を伸ばすと、鳥は軽く指を突いた。
「おぉーッ!」
優芽はひどく興奮状態。
恭弥はその間、ずっとコーラの紙コップを口に付けたまま…。
横目で優芽を覗く。
「あ。そういえばこの子の名前なんてゆーの?」
「ない。」
「…へー、"ない"ってゆうんだ♪…って違うでしょ!」
「ノリツッコミ?」