学校一の王子の恋愛ゲーム
「え゙」
「何その反応。」
なんでわざわざあたしが。
さっき会ったばっかなのに、また会いたいとかゆう、それはまるで恋人同士のような…。
「花火の件について聞きたいことがあるんですが…。とか言えば大丈夫だって。」
愛衣はぽんぽんと優芽の背中を叩いて促しながら、さりげなく優芽を外へ押し出した。
「えっ、ちょ…待ってッ!」
『ばたん。カチャッ』
優芽の叫びも虚しく、愛衣は扉を閉めた。
ご丁寧に鍵まで…。
「あぁー…」
仕方ない…、行くか。
なんたってあたしが…。
行けよ、君達。
………………………
「愛衣。」
「何?」
鍵を閉めた後の愛衣に、結城は言った。
「わざと優芽を行かせただろ。」
「ばれたか。」
愛衣は椅子に座りながら、落ち着いた声で言う。
「おもしろいことがあればなーと思って。」