学校一の王子の恋愛ゲーム
Game.6
待ちに待った…のか?
花火大会当日。
まだ暗くなっていないにも関わらず、学校は大いに賑わっていた。
提灯が灯りだす。
校庭に並べられたいくつもの屋台。
それらの営業には学校の生徒とこの町の住人とが混ざっていた。
と、ここで一際目立って騒ぐ生徒が一人。
「わたがしでしょ、それから焼きそばにかき氷と、クレープも食べなきゃ!」
凛羽は黒神と騒ぎまくっていた。
すでに手には綿菓子の袋をぶら提げている。
黒神はなかなかくれない凛羽に跳びはねても、手は食べ物を掠めるばかり。
こうゆうことに於いてはけちくさく、ひゅっと黒神の猫パンチを素早く避ける。
「ちょっと君、通行の邪魔なんだけど。」
と、そこに通りかかったのが神代恭弥。
彼は今日、やけに祭に力を入れているのか浴衣着用中。
頭の上には黄色いあの小鳥が乗っていた。
「ぇへ、今日こそ八つ裂きにしたげる。」
凛羽が舌なめずりした。