学校一の王子の恋愛ゲーム


はい。


こちら学校の屋上。


誰にも被害の及ばない、安全かつ広い最高の場所という訳でございます。




「はぁ…そろそろ降参したらどう?」


「君こそ。」




あたしは全然ですから。


え?


全然大丈夫って意味だし。




「そう。じゃあ、きりがないね。」


じゃあこうしよう。




と、彼が切り出す。




「?」


「宝探しだよ。」


「は?」




凜羽が首を傾げたところで、恭弥が続ける。




「先に見つけたほうが勝ちだよ。」


「ふ…ふふふ、あはははは!」




楽勝!


凜羽が持っていた刀を宙へ放り投げる。


と、刀は最高点に達したところで黒猫に変わり、猫は身を翻して地面に着地した。




「行くよ黒神さん!さらばだ神代恭弥!」


とぉ!




凜羽は跳び上がり、フェンスを蹴って地上に飛び降りる。


と、黒神が続く。




「…さぁ、行くか。」


その声はどこか穏やかであった。


頭にあの小鳥を乗せて、恭弥はその場を後にした。


………………………。





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