学校一の王子の恋愛ゲーム
その頃、何も知らない優芽は結城と食べ物を貪っていた。
…もとい、食べていた。
そもそも優芽はまさか事がそんなに大きくなっているとは思っていなかった。
とゆうより、深く考えていなかった。
「花火っていつから?」
片手にもったラムネを飲みながら、彼女は聞く。
「さぁ。」
結城はさらっと受け流し、だらだらと二人で歩き続ける。
「あ。」
結城は不意に、前方を指を差す。
「あれ、やろう。」
前方に見える「あれ」とは、則ちよく一般にある金魚掬い。
結城がすたすたと速歩きになる。
「勝負しようぜ。」
「いや、待て待て。」
待ちたまえよ、君。
何故ここに来ていきなりそんな笑顔!?
さっきまでかなりのクールを決めこんでたではないのか?
「なんだよ。」
「いえ、なんでも。」
なんだし。
あたしといても楽しくないのかよ。