学校一の王子の恋愛ゲーム
また腕を掴まれ、引き止められた。
「何?」
「不可抗力だって知ってるんだろ?」
彼はそう言って、屋上にいたときと同じ笑みを浮かべた。
Sか…。
「はぁ…。」
優芽は諦めて、恭弥の隣に並んでたった。
こうゆう人は凜羽だけで十分なのに…。
凜羽は呑気に一人手を振っている。
「ねぇ、何でこんなことするわけ?」
優芽は小声で隣にいる恭弥に聞いてみた。
「ひまつぶし。」
「最低。」
はぁ、とまたため息をついた後で、優芽は前を向いた。
うっ、痛い…。
優芽はステージの上の自分を見る女子の目が異常なのに気付いた。
それもそのはず、この学園にいる女子たちの中には、恭弥狙いで入ってきた子たちも少なくない。
それを勝負もせず勝手に、しかもこの女はかえって不愉快そうにしているではないか。
女子たちは優芽を睨み続けた。
そのステージから降りろ。横に並ぶな。何様だ。ブス。
優芽には女子たちの皮肉が痛いほど聞こえた。