学校一の王子の恋愛ゲーム
「やだよ。」
「あっそ。」
と、言ってるうちに結城は金魚を掬い続けている。
紙にはすでに穴が開いていた。
「よしっ。」
第1金魚。あいつにしよう。
慎重に…。
金魚の下にそっとポイをくぐらせる。
水圧がかからないように慎重に上げつつ、けど焦りながら、すっと金魚を急いで器に滑らせた。
「やった!取れたっ!」
「よかったじゃん。」
結城が優しく微笑みかけてきた。
なっ…。
なにさ。
そんなん乗りませんよ。
反則だ。
思わず、きゅんとしてしまった。
いつもクールな人の笑顔は、どうしてこう、なんか萌えが。
萌え度がやばいのでしょうか。
いや、やばいのあたしだ。
変態だ。
「うがーっ。」
「おい、頭大丈夫か?」
大丈夫だし、と言いたいところだが、実に大丈夫ではなさそうです。