学校一の王子の恋愛ゲーム
そう言う結城も、やっぱり視線は金魚のままで。
金魚に嫉妬するなんて、馬鹿みたいってわかるけど。
「だって、あたしより金魚が好きなんでしょ。」
「は?」
結城がこっちを向く。
あたしは反抗するため、頬を膨らませた。
「何勘違いしてんだよ。」
結城がふっと笑う。
あたしは思わずどきっとした。
けれど。
「俺は、金魚が好きなんじゃなくて、金魚掬いが好きなんだよ。」
あたしの予想外の答え。
あ、そうか。
そう思ったけど、腹が立つことこの上ない。
「もう、知らない。」
次の瞬間にはそう言っている自分がいた。
「何言ってんの。どんだけ好きなんだよ。」
「は?何が?」
”俺のこと。”
好きなんだろ?
結城が自信満々の笑みで言った。
「は?何言ってんの?あたしが?ないない!」