学校一の王子の恋愛ゲーム
そういえば。
「なんだよ。」
「あれかもしれない。」
−夏祭りのあの日。
「凛羽なんか変だったかも。」
「ほらな?」
案外考えてみると単純な理由だったりするのかもしれない。
凛羽は本当に結城が好きなんだろうか。
ならおかしくないか?
なんであたしはその事を知らないの。
「やっぱおかしいよ。」
「おかしいってなにが?」
相槌を打ったのは凪ではなく凛羽だった。
おかしいってなにが?
「ななななななんでもない、よ!?」
「動揺しすぎだろっ」
ベシっと凪からツッコミが飛んでくる。
その間、凜羽のにこっとした表情が胸に突き刺さる、色んな意味で。
「べつにいいけどっ」
「え?」
そう言ったまま凜羽は愛衣のほうに行ってしまった。
今日はミルクティーか。
「なぁなぁ」
「なに?」
急に小声になった凪がこっそりを決め込んで、耳打ちする。
「凜羽って結城が好きなんだろ」