俺様不器用男子の甘い愛情
いいこと言ってやりたいのは山々だけど、俺とタイプが違い過ぎてどうしていいか……。
“鏡見て来い”としか言えねぇよ。
「明日から1日1回話しかける努力することだな」
「無理ですよ!挨拶程度で終わっちゃう仲なのに……」
「会話しないと練習メニュー増やすぞ」
「やります!絶対に会話弾ませてみせますからっ!」
「それでよし」
俺には璃玖の緊張する気持ちとか全く分かんない。
でも、現にただ会話するだけなのにかなり緊張してるわけで。
ピュア加減は姉の血そのまんま引いたな。
「どう話しかけたらいいですかね?」
「そりゃあ……生クリーム持って来たので、どうぞ」
「鈴夏ちゃんのことバカにしないで下さい」
「じゃあ~………あ!美術部って今何してんの?」
「それいい!!」
ノートの隅っこに走り書きで書き留める璃玖。
俺の強敵は彼女の弟だったけど、こんなピュア過ぎる恋を応援すんのも悪くない!