俺様不器用男子の甘い愛情



試合開始でペースはスローでボールを回してく。


今回ばかりは公式試合並みの集中力で、まずは相手の癖を掴む。


恭平にパスすればロングシュートをバッチリ決めた。


流れは俺ら!


一安心………


「おい」

「ん……?」



低い声に振り向くと、くるみの後ろを着いて歩いてる片割れ。


「お前さ、調子乗ってっと痛い目見るぜ?」

「は?」

「生意気ってことだよ」

「いっ……」



審判がボールのある方に集中してる時だった。


思いっきり脚を蹴られて引っかけられた俺は、砂の上で転ぶ。


いって!


「隼世!!大丈夫!?」

「恭平はいいからボールガンガン回せ!」

「ちょっ、脚から大出血なんだけど!?」

「知らねぇよ!シュート決めろ!」


大出血なの分かるって、見なくても。


左足が全体的に痛いってよりも、かなり熱い……。


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