俺様不器用男子の甘い愛情
俺の悩みは解決しないまま、迎えてしまった昼休み。
チャイムが鳴ったら、ニヤニヤしてる恭平の横を通って自販に向かう。
遠くからでもすぐに分かった。
茉璃ちゃん……。
自販機4台の前をウロウロして何買うか悩んでる表情。
だけど俺は気のきいたこと話せないヤツ。
「そこジャマ。買うからよけて」
「あっ……えっと……すいません…」
びくっと体を大きく震えさせて、俺の後ろまで下がる。
誰も視界に入るなとは言ってねぇから……。
恭平注文のコーヒー牛乳は珍しく品切れじゃないし、とりあえず買う。
「あ、あのっ…!」
ボタンを押そうとしたところで、涙目で話し掛けてきた。
この顔ヤバイ………かわいい………。
「なに?」
「コ、コーヒー牛乳買うのですかっ?」
「そうだけど……」
「そうですか……」
そっかそっか………。
俺の真後ろに立ってるってことは、この自販機に用がある。
んで、人気のあるコーヒー牛乳がほしい。
残念なことに俺がコーヒー牛乳を取ったら“品切れ”の文字が赤く光った。