俺様不器用男子の甘い愛情



運良く怪我したのは左足。


利き足の右足はかろうじて無事で、恭平にパスの中継をする。


結果は2対1でギリギリ勝ったけど………


足がこれじゃあカッコもつかねぇし。



「隼世……お前ほんとに大丈夫か?なんで交代しなかった?」

「痛くねぇから?茉璃はどこ。俺ら優勝したし!」

「隼世くん!」


呆れる恭平が俺の腕を支えて、茉璃のとこまで来た。


せっかく優勝したのに泣きそうな顔で、俺の足をチラチラ見る。


「足が……血出てるよ…!保健室行こう!隼世くん!」

「今から表彰式あるよ?」

「そんなの関係ないってば!恭平くん、隼世くん借ります!」

「どーぞどーぞ♪」



小柄な体で俺を支えて、保健室まで行く。


保健のせんせーはいないし他の生徒もいない。



茉璃は手際よくガーゼで俺の足の血を拭き取り消毒してくれる。


「痛くない?」

「あぁ。全然大丈夫」


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