俺様不器用男子の甘い愛情



傷口にペタペタとガーゼやら絆創膏やら付けて丁寧に包帯を巻いてく。


でも、そんな茉璃の目からはポタポタ大粒の涙が。


俺なんかした!?



「あたしのせいで……くるみさんとモメたからっ……ケガしてっ……ふぇっ……」

「そんなことねぇよ。泣くなバカ。優勝したんだから笑っとけ」

「笑えないよ……傷付けて……ごめんなさい」

「責任ないのに責任感じんな」


床にペタンと座り込んで、椅子に座ってる俺の膝の上で泣く。


頭を撫でれば嗚咽が少しずつ落ち着いた。


茉璃に泣かれるのが一番ツライ。



「ありがとう……隼世くん。そいえば……余所見しませんでした!」

「え?」

「余所見は禁止と約束しましたから」


あぁ~!


そんな約束もしてたっけ。


「体育大会に限らねぇからな?他でも余所見は禁止!」

「しません。隼世くんも余所見ダメですよ?」

「それはどうかなぁ~」

「ほんとにダメですっ!」


嘘。


茉璃以外の女に全く興味湧かないから、余所見なんて出来るはずねぇよ。


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