俺様不器用男子の甘い愛情
何もしてない……なんて言ったらシスコンの璃玖は怒るだろ?
いや、でもアイツら姉弟だから嘘ついてもバレるだけ。
「取ってねぇよ。8月入ってから一回も」
「そうですか……。隼世先輩!お願いします!」
「茉璃になんかあったの?」
「……お姉ちゃんが家でかなり不機嫌なんです……。もう俺だけじゃ手におえません!だって……スズちゃんにまでいってるんですよ!?」
「見て下さい!隼世先輩!茉璃さんが、可哀想です……」
璃玖の彼女兼マネージャーの鈴夏が、俺にスマホを向けた。
“鈴夏ちゃん!璃玖から電話とかくる?”
“はい。きますよ(^^)”
“そっか……。サッカー部って忙しいよね…”
“夏休みですからね(;_;)”
放置してたわけじゃない、決して!
俺だって電話の一つくらいしたかったけど、気付いたら夜。
そんな感じだったし。
「今日電話しよ……」
「そうして下さると助かりますね」
シスコンの璃玖が苦笑してるほどだ。
相当だな………。