俺様不器用男子の甘い愛情
□お友達から始めましょう
【茉璃side】
いったい誰の差し金でしょう。
伊吹くんと二人きりで自販機に来てます……。
昼休みになった途端に「友達になろう」とか言われるし……。
「お前の好きなヤツって誰なんだよ?他校?先輩?」
「関係ないです……」
「ふーん……同じ高校か。部活は?何組?」
「さ、探らないでよ~…」
ほんとに伊吹くんが苦手!!
あたしの好きな人のことしか聞いてこないし、地味に当たってるし何なんですか!?
もう玲菜のところに帰りたいよ~……。
「伊吹くん……あたし教室戻りますっ」
「は?無理!好きなヤツの名前言うまで教室帰さねぇよ」
「秘密ですよ。玲菜しか知らないのに……」
絶対に言えるはずないよ。
伊吹くんなら有阪くんに、何かしかねないし。
あたしの王子様は今もこれからもずっとずっと有阪くんだけですから!
伊吹くんは例えるなら俺様です!