俺様不器用男子の甘い愛情
黙り込むあたしの手を引っ張って、伊吹くんは自販機の横にあるベンチに座らせる。
距離が近すぎでしょう!?
肩と肩が触れ合う距離なんて………。
「……お前があの時、返事がオッケーだったら彼女と別れてた。彼女いること……知ってるだろ?」
「え…はい。彼女さんが可哀想……側にいてあげないの…?」
「いる必要ねぇもん。他の男といるから」
そう言って笑った横顔はどこか傷付いてた。
付き合った経験はないけど、一途でいてくれないのはヤダ………。
申し訳ないこと聞いちゃったかな………
この沈黙耐えきれないよ!!
あ……伊吹くんはサッカー部!
サッカーは全く知識ゼロだけど、サッカーの話題だよ!
「伊吹くん!サッカーはいつからやってるの?」
「え?サッカー?んー……小2から」
「もう8年もやってるんですか!すごい……」
「そんなことねぇよ」
感心するあたしを見て、面白そうに笑った。
笑顔は……かわいいんですね。