俺様不器用男子の甘い愛情
□ご褒美あげてもいいけど
【茉璃side】
まだまだ残暑な9月。
蒸し暑くて苦しい教室で、先生の掛け声とともにプリントが配られました。
「次の中間テストのテスト範囲だ。来年は受験だから、本気出せよ~!」
うぅ~………
テスト嫌いです……。
あたしは範囲表にさらっと目を通して、一応確認。
数学は苦手な範囲だらけなので、他の教科で稼げばなんとか………
「茉璃」
「なんでしょう?隼世くん」
「お前って勉強得意?」
「得意ではないですが……そこそこです!隼世くんは?」
「知ってるだろ。聞くなっ」
ぷいっと顔をそらしていじけちゃった?
隼世くんは補習の常連さんなのです。
サッカーが上手な分、勉強が苦手なんだよね。
「……あとで図書室な」
「またどうして人の少ない場所を……」
「あれ?お前は俺と二人っきりってヤダ?せっかく時間作ってやんのに」
「あ、有り難く図書室に参りますっ!」
「それでよし」
暑いのに冷や汗かきます……。