俺様不器用男子の甘い愛情
□お泊まりデートの始まりです
【茉璃side】
11月に突入し、落ち葉をガサガサと踏みながら暇つぶし。
金曜日の今日はなんと………
待ちに待った隼世くんとのお泊まりデートの日なのです!!
お泊まりデートの場所は、あたしのお家。
両親もいないし、璃玖は友達のお家にお泊まりしに行くみたいなので。
放課後、ものすごく暇で落ち葉を踏みながらグラウンドに行ってみる。
いたいた………。
サッカーしてる隼世くんもかっこいい………。
「あれ?お姉ちゃん!何してんの~?」
「璃玖!ふふっ♪隼世くん見に来てたの」
「ふぅ~ん。ちょっと嫉妬。隼世先輩泊まりに来るんでしょ?」
「そうだよ。今から楽しみ!」
「………隼世先輩にキツく言っておかないと」
「何を?」
璃玖は深刻そうな顔で言った。
「お姉ちゃんに、子供作らせないよーに!」
「なっ、ななな何言ってんの~!?」
ケラケラ笑って璃玖は、グラウンドに行っちゃうし……。
残されたあたしは、だんだんと熱を持つ頬を両手で包む。
隼世くんに余計なこと言いませんように!
「茉璃!」
「はっ、隼世くん!」
「あと少しで練習終わるから。ん、これ着とけ」
遠くからバフッと渡されたのは、隼世くんのサッカージャージ。
隼世くんの匂いがします……。
「ありがとう!」
照れ隠しで、ぶっきらぼうに手を振る後ろ姿も大好きですよ。