俺様不器用男子の甘い愛情
ガチャっと誰もいない家の鍵を開ける。
みんないないけど今日は、隼世くんがいるから寂しくないです。
「ご飯作ります!隼世くんは座ってて?」
「なんか手伝うけど?茉璃だけにやらせるの悪いし」
「いいよー!」
「まぁまぁ、ちょっと見ててみ?」
面白そうに笑ってキッチンに立つ。
じゃあ……せっかく手伝うって言ってくれてるので……。
野菜を切るように頼めば、あれ?
案外……ううん、ものすごく手慣れてる!?
「隼世くんって料理するの!?」
「趣味でも好きでもないけど、共働きだから仕方なく」
「へ~……意外すぎる……」
「惚れ直した?」
「惚れ直す前に、もうすでに惚れてますよ」
「……バカ茉璃」
あっ、あたし何もヒドイこと言ってないのに!
隼世くんは罰が悪そうな顔で、そのまま料理を続ける。
あの~………これってあたし不必要じゃないですかっ!!
「彼女にも仕事下さい!」
「え~。お前、不器用だからなぁ」
そんな勝ち誇った顔で言われたら何も言い返せません。