俺様不器用男子の甘い愛情



彼氏が落ち込んでるのに何も出来ない歯痒さ。


どうしたら元気になってくれるかな?


試合のことに触れずに、普通に話し掛けた方がいいの?


でも………


人が少ない下駄箱で隼世くんの大きな背中にぴとっと抱きついてみる。


「大丈夫。隼世くんが一人で背負い込むことないよ」

「ありがと、茉璃」

「うん……」


振り返って見せた笑顔。


あ……ほら、また痛いほどの作り笑顔です。


こんなんじゃダメ……。


隼世くんの心からの笑顔が見たい!!



「隼世くん!お昼休み一緒に自販機デートしませんかっ?」

「わりぃ。昼は部活のミーティング入ってる」

「そ、そっか……。ミーティング頑張って下さい」

「サンキュ」


それだけ言って先を歩く背中。


思い出した……今日の朝、璃玖が言ってたもん。


『今日のミーティングは重要でね、主将発表あるんだって!』


主将発表されて、隼世くんが負けた悔しい気持ちを入れ換えてくれたらいいな。



午前中ずっと元気のない隼世くんを昼休み見届けて、一人お弁当を開く。


きっと元気になって戻ってくるよねっ。


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